範宙遊泳 範宙遊泳

「その夜と友達」

範宙遊泳「その夜と友達」

ちょうどボブディランがノーベル文学賞を受賞する頃、とある住宅街を目的もなく散歩していた時、どこかの家の換気扇の排気口から漂う晩御飯の匂いに触発されてこの演劇を着想した。それは嗅覚を次の四ツ辻まで奪い去るような筑前煮の甘辛い匂いだった。べつにポトフの匂いだったとしてもおそらくこの演劇をつくることになったと思う。でもきっと筑前煮でなければ「その夜と友達」というタイトルの演劇にはならなかった。この演劇には2人の男と1人の女が登場する。2人の男と1人の女といえばその常套手段として三角関係を描くのか、と思いきや今作はそれを本意とするものではなく友情の話である。友情といえど残念ながらいわゆる「青春」にはならない。青春だと感じる余裕もなく、ただそこでのそのそと生活する人々のちょっと風変わりな話だ。これは壁(排気口)の向こうの時間と匂いについての物語である。

作・演出:山本卓卓

出演:大橋一輝 武谷公雄 名児耶ゆり

音楽:涌井智仁
映像編集:須藤崇規
助成:公益財団法人セゾン文化財団 芸術文化振興基金 アーツコミッション・ヨコハマ
共催:STスポット
主催:範宙遊泳 さんかくのまど

(2017年8月上演/英語字幕付き/約110分)


上映日程

  • 12/19(水)20:00

  • 12/21(金)18:00

[範宙遊泳とは]

2007年より東京を拠点に海外での公演も行う演劇集団。すべての脚本と演出を山本卓卓が手がける。近年は舞台上に投写した文字・写真・色・光・影などの要素と俳優を組み合わせた独自の演出と、観客の倫理観を揺さぶる強度ある脚本で、日本国内のみならずアジア諸国からも注目を集めている。『うまれてないからまだしねない』で第59回、『その夜と友達』で第62回岸田國士戯曲賞最終候補ノミネート。

http://www.hanchuyuei.com/